<ネタバレ>度重なるトラブルや資金難により、何度も何度も挫折を繰り返して .. >(続きを読む)
<ネタバレ>度重なるトラブルや資金難により、何度も何度も挫折を繰り返してきた映画『ドン・キホーテ』。何十年にもわたり、この映画の完成に執念を燃やし続けてきた鬼才テリー・ギリアムが、この度満を持して完成させることが出来ました!!いやー、長年彼の大ファンの自分としてはこれは観ないわけにはいきますまい。相変わらず支離滅裂で意味不明な内容なのに、最後まで見せきるのはギリアム御大の唯一無二と言ってもいい、この独創的な〝画〟の力。次から次へと繰り出される奇妙で摩訶不思議なキャラクターや世界観に僕は素直に圧倒されました。特に今回は、彼往年の名作『バンデッドQ』や『フィッシャー・キング』を髣髴とさせるネタが最初から最後までてんこ盛り。自らがドン・キホーテだという妄想に取り憑かれてしまった爺さんをはじめ、社会の枠からはみ出してしまった人々の乱痴気騒ぎは遊び心満載で素晴らしいとしか言いようがない。スマホやDVDが出てくる現代社会と騎士道やお城などの中世世界を自在に混在させ、最後は主人公の映画監督自身がドン・キホーテの妄想に取り憑かれていたという完璧なオチ。生粋のギリアムファンの自分としては最後までテンション爆上がりで見てしまいました。いやー、サイコーだぜ、ギリアム!!まあこれだけ待たせておいて、その割にはいまいちスケールが小さい感じは否めないですけど、僕は充分満足。とにかく今は、「ようやく完成出来て良かったね、お疲れさま、ギリアム」と言ってあげたい。