<ネタバレ> 真面目にバカやる姿は「明日に向って撃て!」に通底する。一方 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 真面目にバカやる姿は「明日に向って撃て!」に通底する。一方で、少年の父が語る「堅実に生きることが特別だ」も見逃せない人生観だ。
車輪脱落、納屋への飛込みなどちょっとしたユーモアが光る。中でもメアリー・ベスが曲乗りで固まってしまう姿が可笑しい。搭乗前の勇ましさ、息巻いている姿との落差が効果的。一転、墜落死はまさに“喜劇と悲劇は紙一重”そのもの。自由と自己責任、冒険と規制のせめぎ合いは、まさにアメリカの価値観を投影する。
曲技飛行における冒険心はあっさり描写だが、命がけケスラーのセリフ「正確さより真実をいかに描くかだ」「詩的な表現もある程度許される」・・・これは映画作りの肝をも語っている。
ケスラーとペッパーの会話が冒頭のペッパーが子供に語るホラ話と重なる。憧憬の眼差しがいいね。ラストは戦闘のない空中戦が魅せてくれる。翼のぶつけ合いにヒコーキ野郎の意地を見た。空を飛ぶってこんなに楽しいものなのかと思わせてくれる映画。最後の敬礼も心に残る。