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<ネタバレ>クソみたいな世界を変えるために、三人に善意を渡してその輪を広げていく。
善意のマルチ商法的拡散ともいえるが、ユートピア的アイデアでうまくいくはずもない。
それで世界がよくなるほど性善説はとれないけど、理想としてはそうあってほしいとは思う。
火傷のコンプレックスから勇気を出して踏み出したシモネット先生と、それを受け入れたアーリーン。
母との情事が少年に見つかって慌てふためくシモネット先生が微笑ましい。
シモネットには暴力父にガソリンで大火傷を負わされた酷い過去があり、少年に自分の姿を重ねて気にかける。
この三人を軸に話は展開していくが、これらの役を演じたオスメント、ヘレン・ハント、ケヴィン・スペイシーがとてもいい。
少年が苛められている同級生を助けて殺されてしまうのは、現実を思い知らされる。
現実社会のニュースでも同様の事件が報じられるたびに、正義感や誠実さがバカバカしくなってくる。
追悼に集まる群衆の姿は、少年が大きな影響を残したという救いとして描かれたのだろう。
でも、それは本当の救いとは感じられず、映画としては少年を死なせてほしくなかった。
後味はけっして良くない。