<ネタバレ>31才セカンド童貞男の妄想が炸裂して面白い。詩がストーリーに .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>31才セカンド童貞男の妄想が炸裂して面白い。詩がストーリーにリンクしたカラオケの演出もいいし、作品の中で使われている音楽もいい。パフュームとの唐突なダンスも楽しかった。
未練たらしく最後に一回やらせてとまでみっともなくもしつこく迫る藤本に、「あなたでは成長できない」と心臓をぶち抜いてトドメを刺すみゆきの一言。
観ているこちらがいたたまれなくなるほど。
みゆきが苦悩するのは不倫の自業自得だけど、振り回される藤本はたまらない。
麻生久美子がフラれて藤本に泣きすがるシーンも同じく痛かった。人間の情けなくてカッコ悪い部分が見事に描けている。
キャストがどれもばっちりハマっている。男をその気にさせる長澤まさみが、とにかく魅力的。この作品はこれに尽きる。
童貞の理想の彼女であり、既婚者の理想の愛人にもなっている。
麻生久美子も十分魅力的だが、さすがに旬の長澤まさみには勝てない。フラれてエロ親父のリリー・フランキーに高級寿司をご馳走になり、ベッドを共にしてしまうのが妙にリアル。
グダグダしている森山未來に、ドSなくらいにカツを入れる真木よう子もスカッと気持ちがいい。
ところが、あのラストはなんでストーカーから奇跡の大逆転となったのか。夢物語すぎてちょっと冷める。
今までいろんなことから逃げてきたみゆきが泥だらけでしがみつく藤本の姿勢に気持ちが揺らいだということだろうけど、いくらなんでも不自然で唐突なのでついていけない。気持ちが変わるにしても、ストーカー行為で警察に捕まってという展開を経ていれば、また違ったかもしれないが。大逆転にも説得力があれば最高だったのに。
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』と本作が、痛いダメ男の応援歌としては双璧か。
恋愛ソングに勇気をもらってみゆきに告白に行こうとした主人公のように、この映画に勇気をもらって同じようにする人がいるかも。
リアルではまあ勘違いの玉砕に終わるだろうが、それも青春かな。奇跡が起きれば儲けものだし。[良:1票]