<ネタバレ>殺人犯の子として生きていかねばならない悲哀。
雄二(佐藤健 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>殺人犯の子として生きていかねばならない悲哀。
雄二(佐藤健)は堂下(佐々木蔵之介)に実父を投影し、堂下は逆に雄二たちに我が子を投影し、互いの思いのたけをぶつける。
投影によって抑えられていた感情が露わになる展開がうまい。
ただ、雄二には好感が持てず、母(田中裕子)の気持ちの方に寄り添ってしまう。
いくらそれしか書く才能がないからといっても、母を売るような記事を書く息子は許せない。
でも、それを我が子のために喜んで許せるのが母性なのだろう。
家族の崩壊と再生はよくあるものだけれど普遍的テーマなので共感はしやすい。
俳優陣がみな達者でそれぞれ持ち味を発揮していて良い。
特に田中裕子には改めて感心させられる。
タイトルは「人よ」の意味かと思っていたが「一夜」と掛けてのひらがな表記だったのか。