<ネタバレ>万引き疑いの女子中学生を追いかけたコンビニ店長に非はない。 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>万引き疑いの女子中学生を追いかけたコンビニ店長に非はない。
娘を失ったオヤジに怒りと悲しみの捌け口として執拗にターゲットにさせるのには同情してしまう。
オヤジを演じる古田新太の存在感がすごい。
果たして少女は万引きをしたのか、それとも店長のセクハラだったのか、真相がなかなかわからないまま進んでいくのでストーリーの中に引っ張られる。
娘のカバンから万引きしたと思われる大量のマニキュアを見つけ、それを黙って処分するオヤジに嫌悪感が掻き立てられる。
娘への愛といっても自分勝手極まりなく、無実の被害を受けた店長に何の謝罪もなく隠蔽しただけ。
オヤジの心がほぐれたことは良かったのだろうが、それはおまえだけの独りよがりなもので、とても心温かい目でなんか見れない。
むしろ救済なんかされずに十字架を背負い続けてほしいとさえ思った。
何よりまず店長に一言謝るのが先だろうとムカついてしょうがなかったが、それは作り手としては成功しているということか。
コンビニのパート中年女性(寺島しのぶ)の空回り感も、見ているこちらが恥ずかしくなってくるほど。
人間描写がとてもリアルで細かい。だからそれぞれのキャラクターが生々しく伝わってくる。
被害者でもあり加害者でもある。ちょっとしたボタンの掛け違いで、もどかしくも悲しい結果になっていく。
吉田恵輔監督は、『別離』のファルハーディー監督を彷彿させた。要注目。