<ネタバレ>顔色ひとつ変えずにトリガーを引く村川。
どうしようもない虚 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>顔色ひとつ変えずにトリガーを引く村川。
どうしようもない虚しさが漂い、人として生きる喜びを捨てたように見える。
いつ何が起こるかわからない緊迫感。
その中にバカンスのようなのどかな時間。
土俵を作っての紙相撲の実演には顔がほころぶ。
南国の空の下での無邪気な笑顔が、その後の虚無感を更に引き立てる。
緊張と緩和、動と静、生と死、そうしたメリハリを巧みに利かせている。
「あんまり死ぬのを怖がってると死にたくなっちゃう」
死を避けようと考えること自体が、死を見つめてしまっているということか。
破滅や死へと吸い寄せられていくかのような主人公に、儚さがつきまとう。
ただ、ラストの車中での自殺はイマイチな気がする。
それにしても、犯罪ものにしては警察の存在感がまったくなかった。
北野監督は省略できるものはできるだけ省略して、立たせたいものに焦点を当てるが、ここでは警察は不要ということなのだろう。
独特の雰囲気を持つヤクザ映画だが、共感しにくい部分もあってハマるまでには至らなかった。[良:1票]