<ネタバレ>キーティングが内向的なトッドから詩を引き出す授業は秀逸。
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<ネタバレ>キーティングが内向的なトッドから詩を引き出す授業は秀逸。
いくら頑固親父に役者の道を反対されたからとはいえ、ニールの自殺は腑に落ちない。
それだけ父親の強固な支配下にあって抵抗できないことに絶望したのか、それにしてもそこまで追い詰められる出来事には見えない。
この追い詰められ感をいまひとつ出せなかったことが、死を選択する説得力に欠け、この映画の弱さになっているような気がする。
また、詩の朗読が夜中に集まってやるほど魅力的なのかが疑問で、そこに共感できないというのも感情移入を妨げる要素になっている。
それがクリアされていれば、更なる傑作になったような気がしてもったいない。
ニールの自殺は父親の責任が大きいと思えるが、親はその事実から目を背け、責任転化してスケープゴートを探している。
こうしたことは珍しいケースでもない。
客観的には親の責任に見える場合でも他を訴えて責任追及して事件を見聞きするが、もう冷静な判断ができなくなってしまうのだろう。
特に子供が死んだ場合、誰かの責任にしなければ気がおかしくなってしまうのかも。
気の毒ではあるが、厄介でもある。
スケープゴートになったキーティングの姿にやりきれない思いが募る。
保身に走った学校側や仲間をチクる生徒が腹立たしい。
キーティングの教えが何人かに通じたことは救いだが、あまりカタルシスはなくモヤモヤは残ってしまう。[良:1票]