<ネタバレ>観終わった後、完成度の高さにうなってしまう。
通常版もすば .. >(続きを読む)
<ネタバレ>観終わった後、完成度の高さにうなってしまう。
通常版もすばらしかったが、さらにそれを補強。
コンスタンツェに謝礼を要求したり、金策を申し込むモーツアルトに屈辱的な仕事を紹介したり等、モーツアルトを貶めるシーンが加わった。
3時間もの長尺をまったくダレることなく鑑賞できる。
凡人サリエリと天才モーツアルトの描写が見事。
特にサリエリの苦悩と葛藤が残酷なほどにえぐり出される。
モーツアルトの才能を最も理解する能力を与えられた皮肉。
音楽以外の才を持たないモーツアルトは、策士のどす黒いワナになす術もない。
前半はカンに障るモーツアルトの高笑いが、後半は哀れでならなくなる。
失ったものの大きさを正確に実感できるのはサリエリだけ。
最も忌み嫌ったはずのモーツアルトを葬り去ることで、最も愛すべきモーツアルトの音楽を失った。
その罪の深さに狂ったサリエリの姿が、ラストを完璧に締めくくっていた。
男の嫉妬は女の嫉妬より深くて複雑なのかも。