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<ネタバレ>三話からなるオムニバス。『ひまわり』と同じソフィア・ローレン&マルチェロ・マストロヤンニの名コンビが、三組のカップルを演じ分ける。
一話目は、収監を免れるために子供を産み続ける夫婦。精力的に求め続ける女に、ヘロヘロの夫の姿が哀れ。母は強し。貧しい家庭にも雑然とした街中にも活力がみなぎっている。
二話目は、社長夫人とパーティで知り合った男。車をぶつけまくっても一言も謝りもしない高慢な女。いかにも下町といった情緒が滲み出たコメディ。途中から運転を任せた男が、花売りの子供を避けて車をぶつけて故障させると、子供を轢けばよかったと男を罵る。こんな嫌な女はいない。ソフィア・ローレンは気の強い自己中女をやらせれば本当によく似合う。まるで地でやってるみたい。
三話目は、コールガールと客の関係。隣に住む神学生が女に惹かれ、それを心配する祖母が女に食って掛かって大ゲンカ。女は気性は荒いが、老婆の孫を思う涙にはホロッとなって、神学生を元の軌道に戻すことに協力するという人情味も。そのとばっちりでお預けを喰らう客の男がコミカルに描かれる。
どれも男女の機微にニヤリとさせる類で、落語にもできそうな話ではあるけれど、笑いのツボが違ってあまり楽しめず。イタリアの太陽と称えられたソフィア・ローレンも、以前から妖怪人間ベラにかぶって見えて好みじゃない。『ひまわり』のときは良かったけれど。