純愛物語のように始まるが、見ているうちに段々と「あれ? この .. >(続きを読む)
純愛物語のように始まるが、見ているうちに段々と「あれ? この人、何かおかしいな」と思うような展開になってゆき、そのあたりから少しずつ面白くなってゆく。
女優を何十年にもわたって突き動かしたのは、ある種の幼児性なのか、偏執なのか……要するに「この女どっかヤベーんじゃねえか」という不安が蓄積してゆき、その行動理念の正体がはっきりと見えてくるまで、良い意味で常に足元がぐらついている。そのぐらつきに、蜘蛛巣城、鞍馬天狗、二十四の瞳など、様々な国内作品のオマージュが立て続けに放り込まれ、独特の音楽に合わせて、色彩豊かな(しかもアニメーションならではの表現をふんだんに含んだ)映像が展開される。なかなか心地が良い。
ラストの台詞はやや説明的すぎるような気もしたが、アニメ映画は小さな子供も見るだろうし、ある程度、ああいう親切な説明も必要なのかもしれない。