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<ネタバレ>暗い救いがない、と有名な本作ですが、実を言うと、函館山の山頂から見た日の出のあまりの美しさに感動して、最初のエピソードから私は涙が出た。だがしかし、その光景を目にしながら兄は将来を悲観して自殺することを決心した。希望と絶望は紙一重であることを痛感させるエピソードのように思えた。 そして、土地開発によって立ち退きを迫られる老婆、プラネタリウム男、無能でパワハラ志向で浮気性でDVの二代目社長、、全てのエピソードとその主演者には、一つ共通点がある。それは家や歴史に頑なに執着していること。つまり彼らはみな、未来を見据えることができず、過去にすがって生きている、ということ。 救いがないエピソードの羅列だが、「函館」という街の衰退を描いた疑似ドキュメンタリーとしては秀逸だ。 ちなみに、函館山から望む市街地の夜景は「世界三大夜景」なそうだ。 美しい光の群れ、、もしこれから観光で訪れたとしても、それがSOSの救難信号に見えそうで私は少しだけ心配している。