<ネタバレ>ウォルター・ミティという人生。 会社組織における日の目を見な .. >(続きを読む)
<ネタバレ>ウォルター・ミティという人生。 会社組織における日の目を見ない裏方でありながら、その地道な誠実さと功績が大きなサプライズをもって讃えられる物語。 しかし残念ながら、肝心の彼の日頃の仕事ぶりがあまり見えてこない。この映画が「仕事」の讃歌でもあるのなら、彼の地道な手作業をもっと丹念に誇らしく描写するべきだったと思う。 (ヒゲと格闘する妄想が冗長すぎるので、そこを削ってでも) もう一つ、リアルの人生が劇的に変わっていく展開は面白いのだが、サメと火山噴火は突発的な偶然だからともかく、ヒマラヤ登山はどうだろう? あそこは、一介のサラリーマンが思いつきで簡単に行けるような場所ではないでしょう。完璧な準備をして、できるだけパーティーを組み、酸素が薄いので何日も前に入ってテント生活をしつつ空気に慣れながら段階的に登る、など相当の支度をしなければ命を落とす危険が伴う。彼が登山の熟練者である根拠、それを部屋のフォトグラフなりで事前に示す描写は必要だったのでは? しかし理想を言えばキリがないが、彼やこの映画が信条とするもの、それはまちがいなく私自身が心のどこかで夢に見ていること。 だから、最後の「LIFE」誌の表紙が私に与えた驚きと感動は言葉にならない。 →2020/6/26 全面書き直し。