雰囲気はまさに「まんが日本昔ばなし」なんです。あの世界観を、 .. >(続きを読む)
雰囲気はまさに「まんが日本昔ばなし」なんです。あの世界観を、ハリウッドの新進気鋭のストップモーションアニメ監督が現代風に演出していて、なんかこう、観ているあいだ不思議な感覚でしたね。クボ・サル・クワガタが三人パーティを組んで、村を草原を山をてくてく歩き、やがて舟で大海原へ。僕は勝手にドラクエⅡを思い出したりもしたのですが (笑) 闇の姉妹の造形は不気味な美しさにぞくぞくしますが、骸骨の場面だけはどうしてもティム・バートン風になります。と、ここまで書いてみて、つまり雰囲気は極上ですが、新鮮な " 個性 " は乏しいのかなと。道具のディテールには相当拘っていて、折り紙のザラザラした感じ、クワガタが纏う甲冑の質感、クボの刀や兜の光沢は惚れ惚れするほど。また、外国の監督にありがちなピント外れな日本の描写もほとんどありません。監督 (制作スタッフ) のみなさまは、日本古来の風景はもとより、習慣や文化まで深く探求されているようで、これは嬉しい限りでした。なお私は字幕で観たのですが、この世界観なら英語よりも日本語吹替の方がいいかもしれません。 (日本の風景にサムライたち、これが英語というのがちょっと違和感でした)