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<ネタバレ>これは激情の愛、とでも言おうか。お互いの体を求めて激しく、そして時には牧歌的な大草原で愛し合う。若さという最大の武器と、怖いものなど知らない彼らの深い情愛に、私は少なからず嫉妬した。ベティというキャラクターは強烈だった。物を投げる、車にペンキをぶちまける、家に火をつける、人を傷つける。この破天荒なベティという女をどうしても心底から憎めないのは、良識の範囲が人とずれているだけで、その行動に一切の損得勘定は感じられないからだろう。本能のおもむくまま、考えるより先に行動するベティ。その行動力と生き様を私は内心羨望の眼差しで観ていた。ゾルグが最後にベティに下した決断。ゾルグを行動に駆り立てたのは、「この世には、死よりも苦しいものがあるの」というベティの魂の叫びが聴こえたからと思いたい。この行為は決して許されるものではないが、ベティを世界で最も理解し、愛していた彼には、広い世界でただ一人それを行う手形を委ねられていたと思う。この行為に良いとか悪いとかの一言で審判をすることは、私には到底できない。[良:1票]