ヘアスプレーと同じ監督さんですが、作品の性質はまるで違う。ヘ .. >(続きを読む)
ヘアスプレーと同じ監督さんですが、作品の性質はまるで違う。ヘアスプレーのミュージカルシーンは概ね「動くついでに唄わせよう」という方法論で作られてるのに対し、こちらはどちらかと言うと「唄うついでに動かしてみよう」という作られ方になってる。人にもよるんでしょうが、私にはこういうタイプのミュージカルがどうも肌に合わない。演出方法も水と油ぐらいに違う。ヘアスプレーでは「突然唄いだすなどという非日常的行為が、周りの日常世界に何らかの影響を与えた結果、予想外のセンスオブワンダーな反応が生じる」という楽しませ方をすることが多かったんですが(結果的にはこれがテンポの良さに多大な貢献をしていたように思えます)、こちらの作品のミュージカルシーンはそれ自体が周りの世界とは独立して進むことが多かった気がします。これをやってしまうと、たまたまその曲が好きになれた人には問題ないんでしょうが、そうでない人には「うわ~、もう早く終わってくれよ…」という類のダラダラ感へとつながってしまうと思うんです。また、各キャラクターのあまりの魅力の無さもなんとかならなかったんでしょうか。ミュージカル映画でキャラクターに魅力が無いというのはかなり致命的なことです。個人的に唯一の救いだったのは、スターシップの「シスコはロックシティ」が聴けたことでしょうか。実はこのバンド、私にとっては、メンバーの誰か(ボーカルの人だったっけな?)が何かのインタビュー(ミュージックライフだったっけな?)で「自分がミュージシャン生活を始めてから21年目にしてようやく掴んだ全米№1だよ」とか言ってたのを聞いて、奇しくもその同じ年に21年ぶりの優勝を果たした阪神ファンだった自分には妙な親近感が沸いたバンドとして思い出深いものがあったんです(←な~んのこっちゃ!)。ま、ともかくこの映画、自分にとっては面白い要素がほとんどなかったということで4点です。