<ネタバレ>すっごい面白い。主観的ショットが延々と続くから、次第に精神を .. >(続きを読む)
<ネタバレ>すっごい面白い。主観的ショットが延々と続くから、次第に精神を病んでいく主人公が自然と信用出来ない語り手に変化していく過程にリアリティがある。家庭では典型的なステージママに存在を否定され、劇場では表現者としての苦悩に苦しめられる。そりゃおかしくもなるよ。本番当日はもはや笑ってしまうような恐ろしい出来事の連続。彼女の死はおそらく主役の座を射止めた時、いや、コーチの舌を噛んだ時に決定されたんだろうな。彼は白鳥を誘惑し堕落させる悪魔だし。素晴らしい芸術表現の末の死だから安らかな表情を浮かべているのだろう。芸術とは触れたが最後、もうその前には戻れないもののことを言う。それは本作であり、新約白鳥の湖だったのだ。