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<ネタバレ>こんな士官の元で兵隊やらされて、無駄に殺されて、生き残ったら理不尽にも軍法会議にかけられて銃殺。やってらんねーよ!こういうリスクが戦争にはあるわけで、むしろ戦闘よりも恐ろしいのかもしれません。インパール作戦みたいな無残な戦闘に参加させられたら…日本軍は補給を重視していなかったようですから、処刑前にごちそうなんて食べられなかっただろうし、本当に怖い。…という感想を持ったわけですけど、キューブリックが本当に伝えたかったメッセージは少女の歌声に涙を流す兵士たちの姿を通して語られているのでしょうね。作中のようなむごたらしい出来事があって、士気が下がっている兵士たち。暴力的な欲望に駆られ、舞台上の少女に対し獣のような視線をぶつける。でも、少女が泣きながらドイツ語で歌を歌い出すと、言葉の意味はわからなくてもなぜか泣けてくる。「軍隊にいる奴はろくでなしばっかりだ!」という物語の最後にこのシーンがあることの意味は大きいと思います。つまり、兵士は全員兵士として生まれてきたわけじゃない。一般人だったんです。処刑される前に「もう二度と妻に会えない」とむせび泣いていた髭面の兵士も、部下を見殺しにして目撃者を抹殺しようとしたクズも、普通の人間なんです。だから、クズは自らが処刑に立ち会うことをためらった。この映画は決して反戦映画ではありません。[良:1票]