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<ネタバレ>モンティ・パイソンの第1シーズンを全部見て、ハリウッド・ボウルでのライブもチラッと見た程度のパイソンズファンの私。まさか齢40を超えたインテリブラックコメディ集団が下ネタに振り切ったスケッチを書きなぐっていたとは思いもしなかった。凄く笑えるスケッチもあるんです。「すべての精子は大切」からプロテスタント夫婦のやりとりへの流れはかなり好きだし、性教育のバカバカしさを皮肉ったスケッチも大好き。パートの後ろについていた生徒対教師のラグビー大会も良かったですねー。でもハズレはとことんハズレで全然面白くねえ!パート1とパート4はクスリともしなかった。
本作の何が悪かったのか?自分なりに考えた結果、やはりテリー・ギリアムのアニメーションの不在が大きいのではないかと思うんです。テレビシリーズに匹敵するまとまりのないスケッチの羅列。これはテリー・ギリアムのアニメーションが潤滑油になることで放送として成立し、爆笑させられていたのです。パイソンズの映画はテーマに基づいたスケッチが基本で、ギリアムのアニメーションは特に必要なかったのではないでしょうか?
しかし、本作は違う。誰一人納得のいくスケッチを作ることができなかったという絶望的な状況の中でテリー・ギリアムは何をしていたかというと、冒頭の短編映画を作っていた!しかも実写!しかも膨大な予算を組んで!なにやってんだギリアム!ユニバーサルと契約して多額の予算を組んでもらっていなかったらクレオソートの大爆発もなかったし、貧困すぎてヤバい映画になっていたところだったぞ!下品さだけが後に残る珍品になるところだった。
過去作では制作費不足に悩まされていたパイソンズ。苦労に苦労を重ねて名作を作っていたのに、予算を貰ったら内部分裂しちゃうなんて勿体ないなあ。全然ダメというわけではないし、多分何度か見直すことになるんだろうけど、もったいねー。