<ネタバレ>未熟な母親の成長と挫折。
冒頭から「美女と野獣」が一線を超 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>未熟な母親の成長と挫折。
冒頭から「美女と野獣」が一線を超えたようなストーリー展開。
セリフを省いて絵だけで物事を語る演出は素晴らしかった。
愛した者と死に別れ、女で一人で二人の子を育てる彼女の力強さ。
田舎の屋敷を一人でキレイにしてしまうなど、全国の主婦は見習いたい体力だ。
母親の無欲なひたむきさは村の人々も突き動かす。
文太のオジキ!ついて行きます!
ただ、脚本家の強引なフルスイングで引っ張るような内容である。
若さに溢れる「花」と「おおかみおとこ」の恋愛は、その後に待ち受ける苦労の道を考えない軽薄さで溢れていた。
「おとぎ話」でリアルな子育てをするという無茶振り、子育てにしても多少描写不足で危うい。
「聖母マリア」のような言葉で片そうとする母親像は危険でもある。
最愛の夫の突然の死が、彼女に早急な覚悟を決断させたのかも知れない。
そんな未熟さが、「雨」に父の跡を追わせてしまった。
むしろ「雨」のような野生の世界でしか生きられない者はそれで良かったのかもしれない。
ただ「雪」は人間として生きていく覚悟を決めた。
「雨」が「おおかみおとこ」と同じ道を辿るのかは解らない。
けれども、そこには「花」から貰うことが出来た愛情が宿っていると信じて。