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<ネタバレ>「異色作」「問題作」「インディアン側の視点」という前情報のみがあったから、ずっしりとした歴史ものでインディアン側が主役で国側を徹底的に悪と描く作品かと思ったら、意外とそんなことはなかった。それどころかホーナスとクレスタの関係から、「お互いわかりあえる道もあった」という主張さえされている。歴史的事実かどうかとかしっかりとした分析がされているかどうかとかそんなことは知らん、というか正直勉強不足でわからんけど、純粋に面白く、素晴らしい作品と思えた。
「歴史的事実」の残虐性が描かれるのはラスト20分くらいからで、それまでは一応双方中立的に描かれるのが上手い。ホーナスは国側の代表で国側の主張をし、クレスタは先住民側の代表で先住民側の主張をする。一方がどうだ!正しいだろ!ではなく互いの主張をさせた上であくまでも判断は観客に委ねる。西部劇全盛時代の作品は問答無用で先住民は悪とするものが圧倒的多数なだけに、当時としては双方の意見を対等に述べたというだけで既に新気風だったのではないでしょうか。ぜひ公開当時の感覚で観てみたかった。
娯楽面でも、固定観念に縛られた思考のホーナスと自由人なクレスタ、アメリカ国旗を踏みつける騎兵隊、コインのネックレス、ホーナスの馬車焼きからのラストの結果など、皮肉要素も含め面白味充分でした。