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<ネタバレ>この映画はエピソードがいちいちビッグでヤクザですが、最終的には家族愛に集約していくところが本当に素晴らしい。オープニング、娘(コニー=タリア・シャイア)の結婚式、影があるドン(マーロン・ブランド)の風貌からこの男が只者でないことはすぐに理解できます。葬儀屋の頼み事も普通ではないし、外ではパーティの雰囲気とは不釣り合いなルカ・ブラージ(レニー・モンタナ)が祝いの言葉を練習しています。これらのオープニングシーンは本作を端的に表していて本当に素晴らしかったです。ちなみに原作本も読みましたが、個人的には映画三部作のほうがこの作品を端的に表現できています。原作本は娯楽作品としては少々集中力を欠いてしまうほど各エピソードが深堀されすぎています、映画のほうがずっとシンプルで無駄がありません。
本作は映画好きなら絶対に見るべき名作の一つですが、上映時間が長い&エピソード満載なので気持ちに余裕がない時に鑑賞すると物語の大切な部分が頭に入ってこないかもしれません。やはりこの映画の醍醐味は演者の細かな表情だったり、言葉の裏に潜む真実だったり、美しい映像だったりと、深部までしっかりとアクセスすることがより深い映画体験に繋がります。一見無駄なシーンに思えるシチリアでの結婚式のシーケンスなども、パート2やパート3でシッカリ効いてきます。彼らファミリーにとってはシチリアは特別な場所なのです。本作ではどのシーンも非常に丁寧に描かれていて重厚さとエンタメ性の両立が本当に素晴らしい。
個人的には映画のラストカットに映るアル・ネリ(元警官=リチャード・ブライト)が、実はパート3まで重要な殺しのシーンに関わっているキーマンなのも妙にリアルで渋くて好きです。(バルジーニ殺害時に使った警官の制服は元警官だった自分の所有物という設定)
年齢を重ねるとまた違う感覚で見られますので、折を見て何度か鑑賞したい名作です。むしろ、ゆっくり時間を掛けて優雅に世界観に浸っていただくと、より深い部分まで一層理解できると思います。日本人の目線から見ても名作なのは間違いない素晴らしい作品ですので、「ゴッドファーザー」というタイトルだけで敬遠せず、ぜひ一度はきちんと鑑賞してみてください。