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<ネタバレ>ほとんど30年ぶりに再見しました。イメージ的にはスタローンのPV的な印象を抱いて30年経ちましたが、いま改めて見返してみると結構凝った映画だったんだなという印象です。凝った映画=高評価ではなく、単純に苦労して作ったんだろうなという意味ですが、この時代あたりから急激にCG技術や合成技術が進歩してリアルな映像が見られるようになりましたね。本作もやたらとリアル。
序盤からご都合主義でツッコミどころは満載ですが、80年代スターを筆頭に80年代を引きずった映画なので致し方ないかなといったところ。特にオープニング、この可愛いらしい美女がまさかの転落死なんて、掴みが大事とはいえ結構残酷です。また、この美女の恋人で主人公の親友(ハル=マイケル・ルーカー)もご都合主義であまりにもワガママで笑っちゃいます。素人美女を連れてきた自分のプロ意識の低さを棚に上げ、親友を責めるなんてどんだけ・・
現金強奪はやたら凝ってる割りに準備はバッサリ割愛。で、まさかの不手際から墜落、ついにこの映画のメインステージに上がる流れは一見自然なようで実はかなりご都合主義。また、金を一人で取りに行かせておいて銃乱射→雪崩の流れも雪崩を見せたかっただけの演出にしかなっていないのが稚拙すぎて半笑いです。(Tシャツでクライミングするスタローンも)
無駄に人数が多くてモブキャラらしきも数名混ざっていますが、ジェシー(ジャニン・ターナー)はあの時代特有のボーイッシュな可愛さを演出してくれているし、クエイルン(ジョン・リスゴー)&クリステル(キャロライン・グッドオール)も下品な悪の親玉としてなかなかの存在感を放っています。しかし、超絶強いカイネット(レオン)は最後まで見せ場は無いし、ヘリの操縦士フランク(ラルフ・ウェイト)もあまりにも勿体無さすぎる存在感のまま、意味の分からない最期を迎えます。
サラリーマン風情で鍛えもしていない悪人たちが普通に極寒の雪山を征服していたりと、ツッコミ所は多いものの最後までバランス良く中だるみが無い流れは救いでした。スマートにそつなく悪役を倒して、恋人を亡くした傷心の親友の前で自分たちだけイチャついて映画は綺麗に終わります。(その傷心の親友は無線で「悪役?あいつは谷底だぜ!」は悪ノリしすぎ)色んな意味で悪くはないものの、お手軽映画の典型でした。序盤に転落した美女に免じてこの点数です。