<ネタバレ>この作品で登場するたぬきたち。人間に化け学で復讐しようにも、 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この作品で登場するたぬきたち。人間に化け学で復讐しようにも、結局は人間に利用され悲しい末路を遂げる。最後の方では人間社会に必死に馴染み生きようとする者、一方でたぬきらしく生きる者と両者に分かれる。
これらのたぬきたちは、恐らく現代社会、特に現代の日本社会にて生きている人間そのものなのだろうなと思います。
自分自身を抑制し必死になって働きながら生きる者は社会に枠にはまって生きられる、ただし自分らしさは出そうにも出せない。
一方で自分らしく自分を表現し生きようとする者には社会から外れた形で生きる、または出る杭は打たれる形になってしまう。まさに現代の日本社会そのものですよね。
そう考えると、高畑監督は一種の皮肉や批判を込めたのではないかと思います。
観ていると、本当に切なくなってくる映画です。幼少期に観た時は何ともなかったのに…。文太の「人間どもは狸だったんだ! 奴ら、狸の風上にも置けない臭い臭い古狸なんだ!」この台詞が本当に深く切ない意味を成しています。非常に考えさせられる内容です。