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<ネタバレ>原作を読んでから観ました。設定の違いは作者も納得してお任せしているようですが、プロローグとエピローグの仕掛けは原作に軍配ありと見ました。でも原作未見でも問題無しです。主役は刑事なので警察視点ですがこれは絶対ヤクザ映画です。とにかく粗暴で過激(褒めている)。この映画、色んな役者さんが振り切ってると言うか、今までのイメージをかなぐり捨ててるのが凄い。例えば日岡役の松坂桃李、空手経験者なのに最初はヘタレで何かっつーと役所広司演じるダーティーな先輩刑事・大上に駄目ですよとかこんなこと許されませんとか一々文句言ってたのがだんだん感化されていく過程。クライマックス近く、養豚場で容疑者をフルボッコにする時にはもう顔つきも変わって、馬乗りで2分近く(計ってない、そのぐらいの感覚)殴り続けるものだから、あっこいつ犯人殺しちゃうかもと思ったもの。もうここで観てるこっちも振り切れました。それと中村倫也演じる尾谷組のヤクザ・永川のキレっぷりが凄まじい。この中村氏がダイワハウスのCMで上野樹里演じる男勝りな奥さんに比べてビビりで頼りない夫と同一人と知った時にはさすがに驚いた。松坂桃李も中村倫也も朝ドラではまるっきり正反対の役を演じているのだから、その意味ではこの映画は色んな役者さんのギャップに驚きに行く作品と言えるかも。一方で石橋蓮司さんの組長は予想通りのこれでもかと言わんばかりのワルぶり、その末路もご本人、冥利と思ったのではないでしょうか。阿部純子さんは昨年NHKで放送されてた「4号警備」から気になってた女優さんで、今回は映画オリジナルの役で日岡と親しくなる薬剤師を演じてるのだけれど、ラストで大上との関わりが明らかになり、挙げ句猥語三文字を言ってのけるものだから「うわぁっ嘘だ嘘だ嘘だぁ!」と身悶えしてしまいました。絶対地上波では放送しないなと確信しましたよ。原作者も製作者も続編に前向きのようだけど、これだけでもいいんじゃないですか。シン・ゴジラじゃないけど相当ハードル上げてしまったから下手な第2作ではVシネマ並みと揶揄されてしまいそうです。[良:1票]