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<ネタバレ>見ごたえはあったし、触れたことのないジャンルの映画だった。事故で人生が転落した男性と、彼の自殺防止のために雇われた女性。2人とも自然体で、繊細な言動を味わうことができる。
彼の言う『本当の自分は、君に会う前の僕』というのがなんとも皮肉。実際に事故に遭い、その立場に置かれた者にしか言えない台詞が苦々しい。
しかしこの作品、心が温まるようで温まらない。雇われの女性が、長年付き合う彼氏がいるにもかかわらず、平然と浮気もどきの言動を繰り返す。白黒はっきりさせずにフワフワ浮つく彼女の姿は、自殺幇助をテーマにした本作のシリアスな雰囲気と乖離してしまい、最後まで融合することがない。