<ネタバレ>役者良し、音楽も良し、美術とても良しで、その結果、自然で美し .. >(続きを読む)[良:3票]
<ネタバレ>役者良し、音楽も良し、美術とても良しで、その結果、自然で美しい世界が構築されていたと感じました。人間と半魚人の恋愛という極めてシュールなストーリーを描いているのにクセがなくて、すんなりと観られるのは、作り手たちの力量の高さを示している。「二人は愛し合っているんだ」と理解できたら違和感は抱かなくなるのだな、とも思いました。
半魚人のビジュアルも良かった。彼の表情と仕草、愛しかった。
しかし、腑に落ちない部分もあります。他のレビュアーの方々も指摘しておられますが、この二人、最初から相思相愛すぎではなかろうか。イライザが最初にゆでたまごをあげるシーンが実質的な初対面だと思うのだけど、そのときはお互いになんとなく興味を抱いているだけにしか見えなかったのに、その次にゆでたまごをあげに行ったときにはなんかもうラブラブでしたよね?
二人が恋に落ちる「瞬間」をもうちょっと丁寧に描いてほしかったなー。一目惚れなのは伝わったけど、一目惚れなんだったらもっとガツン!とイライザが受けたであろう衝撃を映してほしい。
それと、後半にイライザが脳内世界で彼への想いを歌うシーンがあるのだけど、そこにも違和感。イライザが彼を好きになった理由は「声を発せない自分を“完全”として見てくれていて、何かが欠如しているとは思われていないから」と言っていたのに、あのミュージカルの場面を観ると、「やっぱり声は大事だよね。歌って素敵だよね」って言われているようで、声を出せないイライザを“不完全”だと暗に示しているように見えて、正直ちょっと不快だった。先に引用したイライザの言葉に泣きそうになるほど感銘を受けていたので・・・。
それ以外は文句のつけようがないですね。エロ・グロも僕は全く気にならなかった。個人的にはむしろ好き。
あの二人、とってもお似合いだと思う。そう思わせられるのがスゴいよなー。映画ってスゴい。[良:3票]