<ネタバレ>『天国と地獄』と『シンドラーのリスト』の演出を一本の映画にし .. >(続きを読む)
<ネタバレ>『天国と地獄』と『シンドラーのリスト』の演出を一本の映画にした印象にも取れるが、
無機質から有機質に移り変わっていく作品の情感を丁寧に掬い取る。
作りものの世界であることを逆に利用して、モノクロとカラーを混在させた映像が美しい。
劇中劇のホームドラマには有色人種が一人も登場せず、"色"が付いた人間を差別するとかなかなか皮肉が効いている。
恐れていた予定調和から外れ、生まれ変わった町は新しい世界を広げていくが、同時に負の要素も持ち込まれるだろう。
それが現実の世界そのものだが、過酷だからこそ、ささやかなものですら美しいと感じられるのだ。