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<ネタバレ>奇妙な踊りからポン・ジュノの世界に引き込まれる。知的障害の息子から目を離せず、薬草どころか自分の手まで刻みそうになる。その息子の冤罪を晴らそうと奔走していくうちに、そこに"母"という呪縛をかいま見た。一見ひたむきに見えるが、ある意味で他人の迷惑も顧みない。貧困だからこそお互い助け合うはずが、自分たちの保身のために平気で蹴落とす現実。かつて無理心中に巻き込まれて知的障害を患った(かもしれない)息子は、もしかしたら母を試そうと"演技"していたのではないかと思ってしまう。衝動的に少女を殺してしまったが、母が自分を見捨てて血の濃い関係から解放されたかったかもしれない。しかし彼女は助けた。エゴで完結された世界から抜け出すことができなかった。そして針で全てを忘れて、息子のもとへ帰るまでひとときの非日常で踊り続けるしかないのだ。