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<ネタバレ>"リメイク"としては良く出来ている。物語を主役二人に絞り、枝葉のエピソードをごっそり削除した贅肉のない構成。オーウェンがアビーと運命を共にする理由づけも境遇もオリジナルより明確で納得できるものになっている。だからこそ"たどたどしさ"が失われてしまったことで、オリジナルを超えられなかった。主演二人は熱演だが、計算されているが故にたどたどしい素朴さがリメイクには感じられない。また、議論されている、エリの"ある設定"がアビーにはなかったことになっているが、この映画には余計で必要なかっただけだ。変更点が多いのだから、いっそのこと、スウェーデンの芯の冷える寒さが再現できないなら、夏場を舞台にして更に差別化しても良かっただろう。それでも、『ぼくのエリ』と『モールス』はそれぞれの欠点を補い合うような形で完成された、リリカルなダークファンタジーであることに異論はない。