<ネタバレ>ハリウッドを代表する2大俳優を警察と犯罪グループにそれぞれ配 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>ハリウッドを代表する2大俳優を警察と犯罪グループにそれぞれ配役することで、一本の映画の中に2つの物語を通常の2倍ではなく1.5倍の尺に収めた結果、正直描ききれていない部分はあったと思います。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの演技も彼等の雰囲気やモンタージュ的なアップに頼っていて、特筆する程では無かった様に感じました。
登場人物達の男女関係を中心とする人間ドラマも、浅くはないものの全体的には中途半端に映りました。
しかし、それらをあくまで付加価値と捉えて犯罪バイオレンス、アクション刑事ドラマと見ると非常に面白かったです。
裏切りと信頼、策略と報復、逃亡と追跡等を、迫力のある映像・効果音の派手な銃撃戦や、それぞれの登場人物の物語を絡めて丁寧かつダイナミックに描いていたと思います。
前述した通りそれぞれの人間ドラマは深くは無いですが、各シークエンスの伏線や説得力としては十分ですし、それによって作品自体を濃密なものにしていると思います。
犯行グループと警察がそれぞれ結構がんばって計画を立てていますが、結局はほぼ双方とも毎回上手くいかずに破綻しますが、返ってそこからの力技での展開が楽しめました。
ラストでニールが死に際にヴィンセントの手を求めるシーンは印象的でした。私も自分の死に際を無理矢理に想像すると、人のぬくもりを求める行為は普通にあると思いました。
互いに『熱気』を漲らしていた2人が、決着を着けられた相手に『ぬくもり』を求めるのに対して、決着を着けた相手に迷いなく自然に応じる姿は、極限状態を渡り合った結果の男同士には異なるものは立場だけだとでも語っている様でした。
また、ラストカットの背景に対する人物のフレーミングと光のコントラストは絶品です。
ここまでカッコ良い映像のラストカットは他に余り思い当たりません。