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<ネタバレ>ほぼほぼ満点に近い9点。マルホランド・ドライブがリンチ・ワールドの集大成だとするならば、こちらはリンチがその作風を確立させた初期(?)の傑作。これがあったから後の作品が出来たと思うと、感慨もひとしお。実際、後のツインピークスやワイルドアットハート、ロストハイウエイ、マルホランド~etc全てこの中にあると言えるだろう。お得意の絵画的構図の美しさも冴え渡っているが、特に本作では映画的な表現が素晴らしい。ほのかに揺れるブルーベルベットを写したオープニングや、暗闇から現れるローラ・ダーン登場シーンの幻想的な美しさ。または変装したデニス・ホッパーが階段を見上げ、目が会う瞬間の恐怖演出などなど、とにかく冴え渡っている。異常/正常、平穏/不穏、平和/暴力といった概念が表裏一体で存在している独特のリンチ節も大炸裂。サスペンスとしても一級だし、ラストの絵に描いたように不自然なハッピーエンドも大変強烈。(音楽も勿論最高。)何度も観たくなる、見事な中毒性を持った大傑作。