<ネタバレ>マザコンで片目の日本人少年が主人公の人形アニメ。手の掛かるス .. >(続きを読む)
<ネタバレ>マザコンで片目の日本人少年が主人公の人形アニメ。手の掛かるストップモーションで作られているらしいが時代設定が何時頃なのかイマイチはっきりしない。病弱で時々記憶力もあやしくなるクボの母親の着ている着物とヘアースタイルは平安時代風にも見えるし、町人の服装からはもっと後の江戸時代としか思えないし、観る方は混乱してしまう。衣服については月の帝はどう観ても中国風だし、設定が何かと曖昧。
同じ監督作品の2012年作「パラノーマン ブライス・ホローの謎」も目玉がボタンの偽物の母親が出てきて主人公を惑わしたが、何故か監督のトラヴィス・ナイトの二作品は、共通して目を奪われるという奇妙な話に展開する。何かの隠喩なのか、目の喪失に特異なまでに拘る隠れた深層心理でもあるのだろうかとちょっと心配になる。ストーリーに話を戻すと、クボが折れない刀剣を手に入れるために闘うことになる巨大な骸骨は、多分、歌川国芳の画「相馬の古内裏」から着想したものだろう。
後、クボを助ける忠実な二人?、匹?の従臣的存在も何んかだ違和感が、猿はともかく、クワガタムシが活躍する日本の昔話なんて、どこかに有ったかなと暫し思案に暮れるが何も思い浮かばなない。折角、折り紙だの、三味線だの、富士山だとか日本的要素たっぷりに、日本の話しとして構成されているのに、なにか根本的に感性が違うなという思いを払拭できないのは、海外作品だけにまあ仕方がないのかも。昔話は大抵、退治し克服する対象を求め旅をするのが法則のようになっているが、本作も例に違わず船で旅に出る。それにしても妖怪だからなのか、海上の船に出現する闇の姉妹は、いかなる方法で船に現れ出る事が可能になったのか色々考えると夜も眠れなくなる(笑)。