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全方位暗いし、笑い所など一つも無い映画でしたが、観て良かったです。
他の方の感想を読んでいると、特に哀しみや悲劇の要素をこの映画から汲み取られている方が多い気がしますが、僕はむしろこの作品には哀しみより怒りの感情が充満しているように感じました。
また、その怒りの捌け口として、安直なカタルシスを用意しない物語構造がとてもクレバーにも見えました。
主演のエッジの効いた演技を活かすように、脚本はほぼ彼の一人称で語られます。今作のジョーカーの複雑かつ繊細な精神的変化に説得力とリアリティを持たせる為の手段としては、これはかなり効果的に感じました。