<ネタバレ>冒頭のシーン。弥生がさくらをかばうシーンが、この映画の肝にな .. >(続きを読む)
<ネタバレ>冒頭のシーン。弥生がさくらをかばうシーンが、この映画の肝になっている。
弥生はとにかく真っ直ぐで、自分を貫く女性。父親の借金を肩代わりしてもらうための結婚も、直前で取りやめる。この時だって、こっそり逃げ出さずに、ちゃんと相手にもその家族にも謝ってるんだよね。そんな彼女にとって、結婚後にさんたと犯した過ちは、夫が亡くなって二度と謝ることもできない以上、つらかったに違いない。親友のさくらが好きだったさんたと結ばれることも、夫を裏切ってしまったことも、全部これまでの彼女の人生を否定することになるから。
でもね。ほんとにわかり合える人間なんて、この世に何人もいないんだよ。
その人を見つけたら、たとえ回り道しても、何年かかっても、一緒にいたいと思うのは人間として当たり前のことじゃないかな。
古本屋で「ヘレンケラー」の本を手に取った瞬間に弥生を見つける…なんてご都合主義が過ぎるぜって展開も、そんなに嫌じゃなかった。とにかくこの映画の波留さんは、凛としていながらも壊れそうな演技が良くて、見入ってしまった。
ラストシーンで「上を向いて歩こう」を二人で歌い始めてしまった時には天を仰いだが、東日本大震災で亡くなった方たちへのレクイエムなのかなと思い直した。