<ネタバレ>兄とも折り合いが悪く、母親にもあんまり愛されてなさそうな、ち .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>兄とも折り合いが悪く、母親にもあんまり愛されてなさそうな、ちょっと弱々しいイングマル少年。
彼の毎日はかなりつらそうだ。
望んでもいないのに宇宙に飛ばされたライカ犬よりはマシ、が彼の自己防衛。
そんな彼が大好きな母親と離れて預けられた先が、叔父夫婦の暮らす片田舎なのだが、この町の人々がイングマルの心を解きほぐしていくさまが、とにかく心地よい。
叔父夫婦も、日がな一日屋根に登って修理を続けるおじさんも、イングマルにファッション雑誌を読ませる老人も、スタイル抜群の憧れの女性も、みんな自分の人生を楽しんでいる。
生きている限り、そこに喜びは見つけられるんだ。
そんなささやかな幸せに気づくことを、この映画は教えてくれる。
ハルストレム監督らしい、じんわり心にしみてくる穏やかな映画。
そしてなんと言っても素晴らしいのは、イングマルの相手役のサガ。
まさに宝石のような愛くるしさで、彼女の成長物語としても成立する作りになっている。
男勝りだった彼女がスカートをはき、イングマルと笑い合う場面は、本当に記憶に残るワンシーンになった。
いや、いい映画。[良:1票]