<ネタバレ>私はこの映画からどのような正当な政治的主張も感じなかったし、 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>私はこの映画からどのような正当な政治的主張も感じなかったし、どのような政治的意見にも誘導されなかった。
私が感じたのは疲労感であり、それは「関係の絶対性」への疲労感であった。
私のような若輩は、吉本隆明という思想家の生み出した「関係の絶対性」という概念を上手く捉えることができていなかった。
この映画を観てそれが予想の範疇を出ないが、掴めたという気がした。
戦争というものの「不可避性」が、どのように人間に付き纏うか。それを、主人公である奥崎謙三にまとわり付かれる人々の中に見た。
私がこの映画につけた点数には何らの讃美も非難も含まれていない。純粋にこの映画から私が勝手に学び取ったものの重さを反映させたものだ。