<ネタバレ>“The Dark Knight”『暗黒の騎士』。『ダークナ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>“The Dark Knight”『暗黒の騎士』。『ダークナイト トリロジー』と言われているように、この2作目がシリーズの看板タイトルです。前作が幼少期からのブルースウェインの成長を描いたのに対し、本作は宿敵ジョーカーとの戦いに的を絞っています。今回のバットマンシリーズの目玉が本作であり、本作の世界観を広げるための前作…と言えてしまうくらいの出来栄えです。
ジョーカーといえばジャック・ニコルソンの怪演が、懐かしくも記憶に新しくもありで、前シリーズではこのジョーカーを超える悪役は遂に登場しませんでした。そりゃどの作品もペンギンにせよトゥーフェイスにせよ“個性的でユーモラスな悪役とその組織”って、1作目と同じベクトルばかりだったので、ジョーカーを超えることはもちろん無理でした。
ユーモラスな悪役から、どこかリアルな悪役にベクトルを変えてきた本シリーズ。ニコルソン・ジョーカーとは全然別の、全く新しいジョーカーで、真正面から勝負してきました。ヒース・レジャー演じるジョーカーからは恐怖と狂気を感じます。犯罪を楽しんでいるけど、楽しいのはジョーカーだけ。そんな、交渉の余地のない絶対悪のような存在をぶつけてきました。口にナイフを入れての自分語りや偽バットマンへの暴行はゾッとします。それでいて看護師の恰好で病院を爆破するところでは、愛嬌すら感じさせます。凄いキャラクターの誕生です。こんな怪演を観せてくれたヒースの、あまりに短い生涯が悔やまれます。
前座の悪役としてスケアクロウを出してるところは、人を殺さない主義のバットマンらしく好感。何より重要人物レイチェルが、まさか…でした。恐らくトリロジーの時点で彼女の運命も決めていたのかと思うと、3部作と言いつつも、2作目への力の入れっぷりが伝わります。
ジョーカーとのガチンコバトルと思っていたところ、ハービー/トゥー・フェイスを本作で惜しげもなく登場させたのも凄い。光の騎士の最後と、それに続くタイトル回収は鳥肌モノでした。
そして、こんな完璧なものを観せたあとに、この後何をどう続けるんだろう??って不安にもなりました。