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<ネタバレ>どろんこハリー(Harry the Dirty Dog:1956年)って絵本があったけど、なんかそんな感じなタイトル。
アクション映画の中心が、西部劇から刑事ドラマに移る過渡期の、フラッグシップ的作品じゃないだろうか?
ビルの屋上からの狙撃、ヘリを使った捜査と、空撮を多用したカメラワークが見せる3次元の空間は、平べったい町や荒野で戦う西部劇と、見た目にも大きな変化を持たせている。
悪党に立ち向かうヒーローの図は西部劇と一緒だが、犯行の異常性、残忍さから同情の余地がない“サソリ”。
カラッとした西部劇には出てこないタイプ。ジットリした陰湿さを見せる犯人像。
市民を守るための法律は、令状の無い捜査から犯人を守り、真実を伝える筈の報道は、自演の暴行被害を伝え捜査の手を止める。
過剰な犯行を止める一番の手段は、犯人を確実に殺すこと。
キャラハンが殺傷能力の高い44マグナムを持つのは、悪に対し改心や自首など求めない、徹底した姿勢の表れだろう。
サソリの最後は、キャラハンの挑発によるもの。正義のため法を逸脱した“私刑”と言える。バッジを投げ捨てるハリーから続編は考えていない単発作品だったんだと思うが。