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<ネタバレ>“Year of the Dragon”『辰年』おぉ、偶然にも今年ですね。干支って考えは中国が発祥のようです。昔の中国は“眠れる獅子”なんて言われてましたが、'70年代くらいから中国=龍ってイメージが定着してきたようです。ブルース・リーの影響もあるのかな。ただ、映画公開年(米)は丑年。原作の小説は酉年でした。
当時の若者には、なんか結構、知名度の高い映画です。セクシーでハンサムなミッキー・ロークと、東洋人でありながら負けないくらい男前なジョン・ローンの共演で、中身は男臭いカリッカリのマフィアものときた。お洒落で、オトナな雰囲気がたまらなくカッコよかったです。
ミッキー・ロークは本作以外にヒット作が数作あるけど、ジョン・ローンはほぼコレ一本のみ。コレの次がラストエンペラー、以上。なので、これだけ(世代的に)有名人だったのに、意外と言えば意外でした。
この当時のハリウッド映画は、どこかしらアジアン(ジャパン)・テイストを入れてくることが多かったと思う。スシとかホンダとか。でも本作は、国外からやって来るジャパンと違い、西部開拓時代から国内に浸透して、自分たちの街を形成していたチャイナが、我々アメリカ(ってか白人)にとって、見過ごせない脅威になってきているって映画に思えました。
スタンリーはろくでもない男です。彼の中国人敵視は、ベトナム戦争が影響しているようだけど、敵にも味方にも威圧的な態度です。特に中国人への扱いはどうなんだろう?って思います。レストランが襲われて、トレイシーが怖がってるからってキスするか?普通。いくらミッキー・ロークでもあの展開は変だわ。トレイシーに拒否られても強引に抱くし、彼女の家を勝手に捜査本部にするし。新人ハーバートを無理っくり訓練終わらせて潜入捜査させて、挙げ句殺されて。中国人はヤり捨ての使い捨てって感じ。
でも奥さんに対しても公平に酷い。仕事に没頭して妊活オザナリにするし、敵視するマフィアの中華料理屋で奥さんと待ち合わせするし。マフィアに奥さんを殺されたのが、スタンリーの怒りの引き金なんだろうけど、追い出されて即トレイシーに手を出してる時点で、怒りの度合いが弱く感じるんですよね。奥さんの死は怒りの口実に使われただけみたいな。
『毒を以て毒を制す』とでも言いたいのか?『スタンリーは酷い刑事だけど、中国人がデカい顔するよりマシだろ?』とでも言いたかったかのごとく、スタンリーはロクデナシでした。
エンディングの中国歌謡曲がホンワカしていて、映画の内容にそぐわない気がする。そしてアメリカでモヤシがどう作られてるか、この映画で知りました。