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<ネタバレ>この映画の何に驚いたって、ニューヨーカーがお洒落に寿司食べてるの。なんかカキ氷機みたいなオモチャのハンドル回して、ポトリとシャリが落ちてきて。そんなの寿司じゃねぇぜ!って言いたい反面、田舎モンのお父さん(マーティン・シーン)は寿司を怪しんで匂い嗅いでるのとか、なんか日本文化が徐々にアメリカに進出しているのが実感出来た気がして、嬉しかったっけ。ゲッコーという名前も『月光?ゴードンに日本の血が?』なんて思ったけど、それは勘違い(Gekko=ヤモリ)だったぜ!
理想だけ高いお坊ちゃんバド。奨学金を返すより先に自分のこと優先。親より年収が上回ったのに「家に食費に車に駐車場に服に…」って、まさにガキの理屈。この辺日本もアメリカも一緒なんだな。で、真面目にコツコツ働く勤勉な親にお金借りて、デリヘル呼んじゃうんだからもう…。
ゲッコーに取り入るために親の会社のインサイダー情報まで出す向こう見ずさ。証券マンとしてそんなに才能があるとは思えないバドだけに、この後のトントン拍子に説得力がないけど、きっとゲッコーの力が、見えないところで後押ししたカタチだったんだろう。
正義(?いやこの場合、家族愛か?)に目覚め、ゲッコーに対抗するバド。極秘情報を持ったほうが勝つのが投資の世界なら、勝ったのはバドというよりライバル投資家のワイルドマンだろう。
6万ドルの絵画の価値が10倍になろうと、その絵画の持つ魅力は変わらない。裁判所に向かう車内でお父さん「あぶく銭を稼ぐための売り買いではなく、物を作れ。創造するんだ」お父さんの言葉はシンプルなだけに奥が深い。しっかりシートベルトをしてるお父さんと、シートベルトしてないバドの対比が面白い。
テルダー製紙の株主総会でカットされたシーンが、日本企業の進出に対する警戒だそうな。当時の日本は物作りの超大国。アメリカが日本を怖がってるって認めるのが腹立たしいから、カットしたのかな?
日本文化が世界に浸透した今、当時ほど物を作れなくなり、当時ほどお金がなく、当時ほど経済的脅威ではなくなった日本。以前と比べてハリウッド映画の日本描写が正確になってきたと思ったら、そうかもう、アメリカは日本が怖くなくなったんだ。