<ネタバレ>ポワトリンとキャッツアイを合わせたような映画かなぁ?なんて思 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>ポワトリンとキャッツアイを合わせたような映画かなぁ?なんて思ってたけど、変身したり、夜のビル街を飛び回ったりしない、もっとスケールの小さい、可愛らしいお話でした。
『快盗ルビイ・マーチンスン』という原作小説があったんですね。原作のルビイ青年と従弟の犯罪を、ちょっと不思議な女の子と平凡なサラリーマンに置き換えてます。アイドル全盛期のキョン²と、芸の幅を広げてる最中の真田広之のコンビが異色で面白いです。
“成功しない犯罪”なんて面白い原作に目をつけて、アイドル映画に落とし込むアレンジも上手いですね。留美→ルビイってのもお洒落です。
カバンのすり替え、銀行強盗、詐欺、空き巣…殺人や誘拐じゃないにせよ、一生懸命悪事に手を染めるルビイと徹。徹が見る悪夢のように、成功したら警察に捕まって大変なんだけど、毎度毎度、何やかや失敗します。計画とか変装とか頑張ってるんだし、今度こそ犯罪を成功してほしいって気持ちと、失敗して何もない日常に戻ってホッとする気持ちが交互にポンポン繰り返されるのが心地いい。どこか、毎回マドンナにフラれる寅さんみたいな様式美を感じさせます。
自分が出した手紙を、彼氏に読まれる前に取り戻す…って、今までで一番どうしようもない犯罪計画だけど、立派な犯罪(窃盗罪)になってしまうのが、最後のエピソード。30分以下の短編TVシリーズなら、もう数話犯罪計画も追加出来たと思うけど、映画としては、ダレる前の程よい尺で終わらせたと思います。近年の邦画コメディは、このさじ加減がダラダラ長すぎたり、詰め込みすぎと感じることが多い気がします。
2人のほのぼのした犯行を、もっと観ていたい気持ちもあるけど、適当なところでスパッと終わらせた見切りが上手い。続編を創らなかったのも潔かったと感じます。まさに『こういうので良いんだよ、こういうので』って逸品でした。[良:1票]