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大島渚監督がこの映画のことをボロクソに言ってたのを記憶している。まああの人は普通の感覚ではないから別に参考にはならないが、確かに手放しで信じて良いのか疑問の残る作品ではある。純粋にこの作品を見た場合、単にポル・ポト派を非難するだけの映画に映ってしまう。勿論、個人的にもポル・ポト派を正当化する訳ではないが、この映画の背景にある“アメリカの自己弁護”と言う要素を忘れてはならない。ここで描かれている戦乱は、一体誰が持ち込んだものなのか? 最近、NHKでこの映画を放映していた。NHKと言えばベトナム戦争時、他の民放が「解放戦線」と呼称を改めても、尚、差別的「ベトコン」と呼び続けた。「ホーチミン市」ではなく、「サイゴン」と言う呼称についても同様である。また本作と同時期、隣のカンボジアで内戦が続いている最中、海外支局の局長が赴任した時、空前の盛大なパーティを開いて、要人を招待したのも有名な話である。勿論、受信料と言う経費を使って。本作の主人公はマスコミ(ニューヨーク・タイムズ)。彼は戦乱に残したプランをよそに、母国でピューリッツァー賞を獲得する。ここでも主人公は“自己弁護”を繰り返す。何だか作る視点を間違えてはいないだろうか? まあどこのマスコミも無神経なのが多いから・・・[良:2票]