<ネタバレ>花束を受け取ると、花が萎れた後も、心は残る。
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<ネタバレ>花束を受け取ると、花が萎れた後も、心は残る。
奇跡的な程に似た価値観の2人は、
共に親に庇護されていた学生時代に、出会う。
彼氏は、
同棲生活を維持する為に
夢を諦め就職したのだが、
責任ある仕事を任されるにつれ仕事優先の
考え方となり、
彼女との時間を犠牲にするようになった。
彼女は、
出会った時と変わらぬ彼氏でいて欲しいと願っており、
現実を受け入れて変わっていく彼氏の考え方を、
「ハードルを下げていっている」ように感じる。
私は、互いの変化を許容して行けない恋の場合、
「恋の始まりは終わりの始まり」という事になり
不幸にしか向かわない、と感じた。
ラストで学生時代と同様に
ストリートビューで
懐かしいパン屋を探す元彼氏は、
元彼女と自分の姿を見つけて歓喜する。
多忙で気付いていなかったが、
よく探してみると、ふとした日常に
幸せな2人は存在していた。
しかし、今となっては、感動を伝える相手は
犬しか居ないのだ。
振り返ってみると、完全一致していたかに思えた価値観も、
劇場版ガスタンクやミイラ展など個々には不一致の箇所もあった。
恋愛も音楽も誰かと共有しているようだが
価値観は1人に1つずつ存在していたのだ。
冒頭のシーンに戻り、自分の意見を他人に述べよう
とする所で2人は再会し、それを止める。
出会いと同棲を経て、互いに贈った花束は形を消したが、
相手への思いやりが大事だという
気付きとなり心に残っていたのだと思った。