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<ネタバレ>原作となる夢野久作の「少女地獄」「殺人リレー」は未読です。こだわって創り上げた、淡くて繊細な白黒映像。色の飛んだ昔の写真のようで郷愁を誘います。漢字とカタカナからなる洗練されたキャプションは、夢野久作の独特の表現世界に通じているように思います。主人公のうら若き女車掌(バスガール)が、事故を装い女車掌を殺す連続殺人鬼と噂される運転手と仕事でペアを組むことになり、自分が殺されるかも知れないという妄想を膨らませながらも、恋に落ちるというような話です。妄想と現実が入り交じった不思議な感じがいいです。文学的、審美的ではあるのですが、エンターテインメント要素はないので、深夜に鑑賞していると、寝落ちしますね(笑)20年近く前の作品なので、浅野忠信も若く、少年ぽさを残していて、オッサンくさくないです。主人公の小嶺麗奈や、友人京野ことみがまだまだ少女然としているのに対して、同僚役の真野きりなが、飄々としつつも女っぽくて、いい味を出していたと思います。