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<ネタバレ>戦国時代。人が集まる町では、節度ある町民たちによって、繁栄が保たれているものの、農村は落ち武者の襲撃に会い、道中は賊が跋扈する混沌とした世界設定。時代の動乱の中、農村に暮らしながらも、野心を胸に、動かずにはいられない男たちと、平和と安定を望む女たちを描いているのですが・・・最終的に女の生き方の強さを、まざまざと感じさせる作品ですね。常に焦燥感に駆られて足掻いている男の生き方ってなんなの的な。あと、とにかく、映像がすばらしいです。農村から町に向かう道中、船で漕ぎ進む先の霧に煙る水面の幻想的風景。主人公が迷い込んでしまう、朽木屋敷での妖艶な誘惑。直接的な表現を排して、なお妖しく艶やかなところは、海外作品では、なかなか見られない日本映画の真骨頂でしょうか。シーンのつなぎでの地を這うカメラワークは印象的でした。また家屋内での、蝋燭を光源とした光と影の繊細なコントラスト。白黒映画で、これだけ幻想的魅惑的表現が可能なのかと驚きました。日本映画のスペクタクルに付き物の安っぽさが微塵も感じられないことも驚きでした。もう、日本映画は新作でも半分は白黒でいいんじゃないかと思ってしまいました。