どこぞのどなたかが「不倫は文化だ」との名言を残されていました .. >(続きを読む)
どこぞのどなたかが「不倫は文化だ」との名言を残されていましたが、これは全くその通りで、世界各国の文化的資産:英国の戯曲、イタリアのオペラ、フランスの文芸、ドイツの詩歌、日本の浄瑠璃歌舞伎、そしてもちろん米国ハリウッドの映画などでくりかえし扱われてきたのが「不倫」であります。
考えてみれば一人の女もしくは男の最初に出会った相手がその女もしくは男にとって最良の相手である保証はないんだし、あとになってから「ああ、この人と先にあっていればよかったのに」と思う人とめぐりあってしまうことは当然発生するわけです。
一度できてしまった人間関係を変えることには大きなエネルギーがいる。
そこがドラマになるわけです。
この映画の主人公の二人はダブル不倫の男と女です。
実世界ではスキャンダルであり、人々から軽蔑のまなざしを受ける出来事でしょう。
それを、息をのむようなロマンスに仕立て上げてしまうのがまさに文化の力です。
ロマンス映画は、燃え上がっている主人公カップルだけに感情移入して観ましょう。
不倫された側の人たちはただの背景として、心情を斟酌したりするべきではないのです。
でもなあ、この不倫された側のふたり、心変わりを聞かされてもつかず離れず女を見守り続けていた実業家の男はもちろん、3億ドルの資産家で篤志家の女の方も悪い人たちではないのでちょっとかわいそう。
この二人がくっつけばいいのにね。
交通事故、そしてすれ違いのあたりは今でも特に韓流ドラマなどで盛んにリブートされているけど、この映画の「天国にいちばん近いところを、あなたばかりを見上げていたの」なんて泣かせるセリフはこの映画だけのものでしょう。