古の英雄譚に新たな息吹を吹き込もうとするかのようなダイナミッ .. >(続きを読む)
古の英雄譚に新たな息吹を吹き込もうとするかのようなダイナミックで華麗な映像美の裏に、編集の乱れと物語の浅薄さが浮かび上がっていた。
そこにはビジュアルの饗宴とその罠に陥った作り手の姿が感じられるのだ。
戦場の壮絶な光景、息を呑むほどのダイナミズムは現代の技術が創り出す芸術作品と言いたくなるほど美しく感じる。
しかし、あまりに派手な演出により、重要な物語の軸が曖昧になってしまった。
映像美に心を奪われ、ときどき物語の核心を見失ってしまう。
それは映像がすごいからでなく混沌とした物語の展開だからなのだ。
英雄譚という題材にしては、ストーリーは如何にも散漫で、次々と場面が飛んでいく。
主人公アーサーが己の宿命に向き合う大切な場面も唐突に描かれ、深い感動を呼び起こすことはなかった。伏線が薄く物語の軸が掴みづらく、
せっかくの主演のカリスマ性も、身の置き場を見失ったかのように感じることがあった
映像技術の進歩は目覚ましいが、やはり物語の核心、キャラクターの内面や人間ドラマこそがこのような中世伝説的物語には大切で、
作品に深みを持たせることには成功してるとは言い難い。
主演俳優の魅力。
素敵な映像に作り手自身が心奪われず、映画本来の魅力である「物語の力」を再認識してほしいと願ってプラス1点