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『世界一キライなあなたに』は、ただの感涙ロマンスじゃない。
キュートな恋愛物語のようにみえるその裏には愛と自由の矛盾、介護の現実、などの社会問題と人生の葛藤という重いテーマ、
さらには経済的な格差や就職・失業の現実が、複雑に絡み合ったドラマだ。
なのに楽しく軽快に進む素敵な物語だ。
金持ちで障害者のウィルと健康だが低所得者のルー、全く正反対の境遇にいる二人が出会い、互いに影響を与え合う様は、
単なる甘い恋愛だけじゃなく、愛することが必ずしも無条件の自由をもたらさない現実を突きつける。
愛するがゆえに相手を守ろうとする気持ちと、同時に自由を与えたいという理想の間には、必ず制約が存在する。
健康な者同士なら問題にならないが、傷ついた心や体が絡むと、その矛盾は痛烈になる。
イギリスの田園風景やヨーロッパの美しいロケーションを背景に、感情を引き立てる音楽とともに、観る者の心を強く揺さぶる。
主演二人の演技も、単なる感情表現にとどまらず、登場人物それぞれの内面の葛藤や現実との闘いをリアルに伝えている。
暖かく明るく生きていく主人公たちの成長と共に乗り越え、最後に大きな難関。「愛とは何か」「生きるとはどういうことか」
という大きな問いかけに向かっていく。
素晴らしいストーリーの佳作である。
主演の女の子はどっかでみたと思ったら
ゲーム・オブ・スローンズで竜の母親役、ターミネータージェニシスのサラ・コナー役のエミリア・クラーク。
性格の良い田舎娘の役柄でこんなに良い味を出す素敵な女優さんだった。これも嬉しい