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<ネタバレ>手に汗握るスリルが満載の映画。登場人物たちのトラウマとなるような惨劇を冒頭で描くあたりは『クリフハンガー』をなぞっているようだが、今回の真の敵は雪山そのものである点で、『クリフ~』以上に抗いようのない自然の猛威をこれでもかと描いてみせている。ただ、この作品において『クリフ~』以上に気になる映画が『恐怖の報酬』だ。危険なルートを経て目的地までニトロを運んでゆく点、複数のグループに分かれて危険を分散する点、そして、主人公が組みとなっているグループだけが最後に目的地に辿り着く点など、実は『恐怖~』の雪山バージョンを作りたかったのではと勘ぐりたくなるほど、この二つの映画に共通項は多い。しかし、『恐怖~』が、その道中で遭遇する様々な困難とその度に繰り広げられるグループ内の葛藤が人間模様をまざまざと浮きぼりにさせたのとは対照的に、本作で描かれるのはあくまでアクションのためのアクションであり、人物描写に関してはずっと表面的なまま横滑り状態なのだ(スコット・グレンが氷漬けの妻の亡骸と対面するシーンなんて実に感動的なのだが、それ以上の描写がまったくないあたりもそう)。だから、スリルはあるが感動が生まれて来ないのは至極当然のことだろう。